廣瀬 光男(6地区) 掲載日:2022/3/14

包丁研ぎ中の筆者

 もう3月。暦の上では春である。つい先日、新年を迎えたばかりの様に思うのだが。これでは歳を取るのも無理もない。「光陰、矢のごとし」とは良く言ったものである。

 我が国は以前より超高齢化社会と言われてきた。2015年の国勢調査を基に、総務省統計局が推計した2021年6月の15歳~64歳人口(生産年齢人口)は約7400万人。65歳以上(高齢者)は約3630万人。高齢者の生産年齢人口に対する人口比は約50パーセントになる。この現状で私達の老後生活を若い世代に全面的にお願いするのは、少し無理があると思う。

 私は以前から「同世代扶助」を考えていた。高齢者と言っても元気老人もいればあまり元気でない老人もおられる。先ず元気な老人達がそれ程元気でない老人達を助け、カバー出来ない部分を若い世代にお願いするのが順序だと思う。老老介護ならぬ老老扶助である。

 若い世代に全面的に頼るのではなくて、高齢者にも出来る範囲で助け合おうではないか。この考え方は、ナルクの理念とも一致している。

 ハウスヘルパーが行ってきた包丁研ぎについて少し触れてみよう。
 私がナルクに入会した当時(2007年)ハウスヘルパー分野で依頼が多かったのは、網戸の張替・障子張りそして包丁研ぎであった。これだけ包丁研ぎに困られているのなら、日を決め一斉にしてはということで2015年8月に第一回の「包丁研ぎの日」を設定した。

 当初は、いくら困られているとは言え事務所まで包丁を持参し、研ぎ終れば取りに来てもらえるだろうかと心配もした。以来、3カ月に1回の頻度で、昨年末(2021年)までの7年間で27回開催。研ぎ手3名程で約400丁の包丁を研いできた。

 当初の心配は無用であった。これで私に出来る事が一つ増えた。これからも元気なうちは続けて行こうと思っている。