次の世代へ引き継げる、安心できる社会を |
副代表 野村 文夫 |
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<副代表 野村 文夫> |
東日本大震災が3月11日に発生して日本全国のみならず世界中が大きな衝撃を受けてから早や3ヶ月を迎えようとしています。 あまりにも大きい被害が、マグニチュード9を超える地震と10メートルを超える大津波によってもたらされ、現実とは思えない破壊力の映像に息を呑むばかりでした。
この破壊力によって東日本の広い範囲で多くの方々が亡くなり、行方不明の方々を含めると阪神・淡路大震災の5倍近くにも及んでおり、避難生活をされている方々も破壊のあまりの大きさに大変なご苦労を続けておられます。
ところがこれを上まわる恐怖と現実の被害を福島原子力発電所の破壊がもたらしていることは、原子力発電の安全神話を信じさせられてきたほとんどの国民にとって正に「想定外」でした。
福島原子力発電所についての被害状況は日が経つとともに悪化し、現在時点でも1 ~ 3号機はチェルノブイリと同等レベルの危険な炉心溶融になっているといわれており、今後の展開は予想できない危機的状況にあります。
周辺に住む方々の強制避難が長期に続き、農家や牧畜に携わる方々のみならず、東京近郊までの広い範囲での水道水の汚染または汚染の恐れが、幼児や妊婦の方々の恐怖となっています。
宇都宮にいた私の妹の娘親子も大阪に避難してきました。
今回の大震災を機会に、私たちが原子力は安全かつクリーンなエネルギーであるという今までの信じ込みを取り去って、自ら徹底的に検証し、「原子力発電依存のエネルギー体制を抜本的に見直す」ことが重要課題だと思います。
私たちは「最も低コストでクリーンなエネルギーだ」などの原発推進擁護者(電力会社、製造企業、政治家、学者、その他)の言葉を鵜う呑のみにせず、本来あるべき安全なエネルギーへの転換を推し進めるべきだと思います。
そのためには、厳しい節電、一定期間の電気代の上昇など多くの困難を乗り越えることが、この大災害を本当に生かして日本を再生させることになると思います。
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