会員だより
掲載日:2019/09/09
私の坐禅

副代表 角山 正男

座禅中の筆者
座禅中の筆者
 近所の寺院で毎月「市民座禅会」が開催され、参加歴は10年を超えました。
 午前9時開始。冒頭、住職(以下「師」と記す)は、「この寺に来るまでの出来事(過去)、そして会を終了し寺を出たあとの諸々の事柄(将来)、全てを意識から捨て去り、90分間を『呼吸』に集中しましょう」と説きます。  
 そうなんです。坐禅は、「鼻から入り出ていく『呼吸』を見つめる」のです。鼻から吸い肺を経由して鼻から出て行くその事実は自覚出来ますが、形はみえません。
 師は、「呼吸」の出入りに集中(注力)するための術を教えます。初めは、4・7・8呼吸体操。「4つ数えつつ息を吸う」「息を止め7つ数える」「息を吐きながら8つ数える」。これが4・7・8呼吸体操です。カウントは師がリードします。
 次は、息を吸い・吐く際の心がけ。息を吸いながら「吸っている」と心で唱え、吐きながら「吐いている」と唱え、次いで「1(イチ)」とカウント。次の呼吸で「2」、順に「10」まで唱えると又「1」に戻ります。
 いよいよ、師が鳴らすおりんが場を震わせ静寂が支配します。雑念・妄想・睡魔等に陥らないよう、ただただ呼吸に集中するのです。呼吸を繰り返すため“吸っている・吐いている“を刻みます。
 1回目の坐禅が30分で終り歩行禅に移ります。座から歩です。息を吸いながら足を揚げ前に送り、息を吐きながら足を降ろします。最後に再び坐禅に戻ります。しっかり呼吸に集中出来るようになります。
 90分終了の合図で場が緩み、お茶とお菓子をいただき、参加者の会話が弾んだあと坐禅会のお開きとなります。
「坐禅で何を得たか?」「達したか?」「何のための坐禅?」には、「我が心身を非日常の空間に浸らせる」。これが私の坐禅です。

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