平成12年のある日、プールからの帰りに悪寒と高熱を発し、原因不明の病にて職場を去り、長い入院生活を経て三ヶ所目の病院で、特定疾患の「天(てん)疱瘡(ぽうそう)」という難病患者だと判明しました。
難病になって初めて社会が偏見と無理解のために生きづらいものだと体験し、少しでもこの闘病が人々の役に立てる職業はないかと思案しておりました。
医者からは「君がやらなくても他にやる人は沢山いるよ」と猛反対されながら、平成16年に訪問介護事業所ホームヘルパー養成のNPO法人を設立しました。
難病・ガン・重度障害など、多くの病を持ち苦しんでいる地域の人々に寄り添い、励まし支援して行く中で、自分自身の闘病生活にも変化が現れ、明るい希望が持てるようになりました。
社協のボランティアをしたのが縁で、ナルクの活動を知り平成16年に入会しました。
入会当時は、365日休みもなく毎日が戦場のような日々を過ごしていたので、ナルクに入会はしたものの会費を納めるだけの会員でいつしか記憶から去っていました。
「生涯現役」がモットーでしたから、まさか一昨年「ガン告知」を受けて引退することなど想定外の出来事でした。
手術後も歩行困難となり、再発・転移に心がさいなまれる孤独の中で、ナルクのことが胸をよぎりました。 これまで貢献できなかったけれど、皆さまの好意に甘えて難事が乗り越えてゆけるのではないかと思い、通院の移送に力をお借りしました。
現在は、歩行も可能となり、ナルクに入会していたことが救いで、ナルクの活動にも参加でき、励まされ、ガンと向き合っています。 誰もが、いつでもある日突然に「悩みの人」になる可能性があります。
当事者にならなくても、いざというときに相互扶助の制度が、安全で安心のある毎日を支え、地域住民に貢献し、ナルクの活動の重要さを痛感、感謝しつつ重く受け止めて、一歩前進してまいります。
(編注:事務局から投稿をお願いしました。)
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