2013/07 ~ 前月 ひと言(巻頭文)

掲載年月:2018/11

ひ と 言(会報巻頭文)

繋(つな) が り 

遠藤 保江(5地区)

自宅前にて
自宅前にて
 二人七脚“私は杖を、夫は松葉杖を”で過ごしたのは10年間。一昨年からは夫が車椅子を利用するようになり、二人三脚四輪? といったところでしょうか。がむしゃらに動いた日々が今は懐かしい思い出です。
 私の腰の術後、少しの間だけ利用するつもりだった介護保険制度、まさかずっと続くとは考えられませんでした。ヘルパーさんの助けを借り、ナルクにも助けを求めることになり、QOLを維持するためは利用が多くなりそうです。
 こんな私どもに元気をくれるのは近所の子供さん達です。玄関先で毎日「おはよう」「いってらっしゃい」と声かけをしていたら、いつの間にか我が家の前に集まって登校するようになり、10年以上の月日が経ちました。最近はお孫さんと一緒に来られる方も。
 この春、社会人になった少女が就職試験合格を知らせに来てくれた時は、嬉しくて夫と万歳をして祝いました。部活での先輩との確執や学習方法について悩みを打ち明けてくれるのは男子中学生。百人一首やトランプに興じたり、時には一緒に料理をしたり。「置いといて」と持ってきた図工の作品もいくつか夫の部屋に飾るハメに。通信簿を見せに来た少女も専門学校生です。かつては家中ドタバタと走り回って遊んでいたけれど、最近の子供たちがおとなしいのは少し寂しい気もします。
 もうひとつのエネルギー源は四半世紀前に送り出した6年6組。彼らも還暦を迎えて以来、夏には我が家で同窓会を開いてくれるのです。夫が車の免許証を返納して、私が外出困難になったのを知ったから。アルコールやお菓子を買い込んで、リビングで溢れんばかりにワイワイやってくれるのです。勿論、夫も一緒です。同窓会いや老人会?かも。
 いろんな人達が周りにいて下さることで、社会との繋がりが、“あっ下校中の男児が慌ててトイレに駆け込んで来ました。”

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