『 100歳に乾杯 』
全ての人々は生を受けて死に至るまでの一生という夫々の人生を持っています。 勿論、その内容や長短においては千差万別、一人として同じ人生を送る人など居る筈もありません。
ここで人生論を披露する積りなど更々ありませんが、自分が理想というかうらやましいとさえ感じる人生を歩んでおられる人をご紹介いたします。
「サンポエムひらかた」で配食ボランティア活動をされている方の中にはご存知の方もおられると思いますが、先月7月1日に100歳の誕生日を迎えられたN・H子さんのことです。
ちなみに誕生日は明治38年 (1905年)7月1日です。 配食に訪問するとにこやかに招き入れ、配膳の傍に立って“ご苦労さん、こうして元気で居られるのも皆さんのお陰です”と感謝と労いの言葉を毎回頂きます。
食卓の準備が済んだ後、居間に移ってしばらくの時間雑談をします。 その日行う予定事項をメモ用紙に箇条書きし、チェックしているのは私達にも参考になります。
新聞は毎日読まれておられ、先日など司馬遼太郎の『坂の上の雲』が置かれていましたので、「これ読むんですか?」とお尋ねしたところ時間はたっぷりだからと軽くいなされました。
また彼女(失礼!)は2週毎に通院している掛かりつけの先生から、短歌2首の創作を宿題にされているそうです。 このお話を聞いた時、その先生はまさに「平成の赤ひげ」名医だと思いました。
創作活動によって脳の活性化を図るとは素晴らしい着想ではありませんか。 そんなこんなで毎回4〜5軒に配食しますが、N・H子さん宅には最後に訪問することにしています。
精々15分程度の短時間ながらなぜか自分の心が癒されるのを感じます。 そしてもうひとつは若くして他界した自分の母とオーバーラップして、つい目頭が熱くなります。
こんな夜は晩酌の焼酎が格別に美味しく頂けます。 乾杯 !
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