庭に一本の梅がある。実りの秋の今、我が樽の梅干しも完成の時を迎える。
見よ! この梅酢の美しさ、パープルが滴るではないか。赤紫蘇を惜しまずに投入したが故に。あの6月の苦労を思い出す。失敗を恐れて緊張した。
今年は梅干しの他にいろいろやってみた。ハチミツ、氷砂糖、酢漬け。材料を仕入れにスーパーに走った。今、びんをゆすって見る。液体は澄んでいる。大丈夫だったようだ。
ここに故郷から新米が届く。その輝きに、パープルの梅干しをのせると我が至福のひとときとなる。この喜びのため、大体6月には疲れて2日寝こむ。
そしてこの老木、春先には馥郁たる香りと共に白い花を空いっぱいに咲かせてくれる。「めでたし、恵まれる者よ」聖書風に言ってみる。
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