会員だより 戻  る 掲載日:2010/02/08

「何か」 を求めて 四国八十八ヵ所 歩き遍路を楽しむ!
投稿者:宮本 利明(1地区)
第一番札所、霊山寺の門前にて、2009年11月2日結願(75歳)
<第一番札所、霊山寺門前にて、2009年11月2日結願(75歳)>
合計:42日 1128キロの概略地図
合計:42日 1128キロの概略地図
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*** 発心 ***
 2年前の春、長く心に温ためていた歩き遍路旅への恋心を抑え切れなくなりました。 何かいいことがありそうな気がして、わがままな、ぜいたくな夢を託しての発心です。 体力の限界に挑戦し、より多くの何かを求めて。  振り返ると最高のタイミングでした。 歩き遍路にはいろいろな方法があります。 40日前後の通し打ち、計画の立てやすい区切り打ちなど。私の挑んだのは状況の変化に対応できる一週間単位の区切り打ちです。
「お遍路の道行き」と時時の思い、エピソードを、時を追って紹介します。
***第一回***
 「阿波の道、出会いの期待と、体力と未知の世界への不安」
2008年4月16日~21日、1番霊山寺より20番鶴林寺まで。 22番までの予定を疲れでこなせず、1日早く打ち止め。 体力に不安を感じる。
<行程:歩行6日、距離113キロ、高低差2100m。(注:高低差は、区間の上りを合計したもの。)>
エピソード1: 「道案内」 1番札所への着駅で10代の女性に寺への道を聞く。   丁寧にそして少々の道案内までしてくれた。 うれしく、前途洋洋。
エピソード2: 「子どもたち」 道での挨拶の心地よさ、笑顔、素晴らしい。 喜びと元気を頂く。
***第二回***
 「室戸岬経由75キロの海岸道、達成できるか強い不安」
2008年9月21日~25日、20番鶴林寺より26番金剛頂寺まで。 2日目夕刻より腰・膝の痛み強く歩行困難。   60キロをバス利用。 悲しい。
<行程5日間(歩行正味3日)、距離123キロ、 高低差1220m。(60キロ、2日間は翌7月改めて踏破した。)>
エピソード3: 「お布施」 道端にしゃがむおばあさん、声を掛けられ包みの百円頂く。 心こもったお布施に感無量。 お布施を受けることは非常に多い。 心から感謝し幸せを祈りお札を差し上げる。
***第三回***
 「土佐の道、足腰鍛錬による自信、平坦な行路に楽しさを期待」
2008年10月22日~28日、26番金剛頂寺より37番岩本寺まで。 体調よく、素晴らしい自然を楽しむことができた。 多くの人との楽しい交流も強く記憶に残る。<行程:歩行7日間、距離189キロ、高低差1337m>
エピソード4: 「お大師さんのお守り」 宿を共にした70年配の男の話「二日前の山越えで苦しく足が動かなくなった。 祈る気持ちで金剛杖を胸に抱いた。 すると急に体が軽くなり自然に足が動き出した。   これは間違いなくお大師さんの助けだ」。 疑う気にはなれなかった。
***第四回***
 「四国の果て。 体・心・自然を見る目、そして納経の姿勢もなんだか自然体」2009年3月7日~13日、37番岩本寺より40番観自在寺まで。 南国の自然を愛めでながら、出会う人たちとの会話を遊び、余裕を持って踏破。
<行程:歩行7日、距離199キロ 高低差1229m>
エピソード5: 「NPOと地方社会」 民宿の女将「村にもNPOがたくさんできたが、私たちの仕事を取る。 退職役人が立ち上げたNPOが、市民が補助をもらってやっていた公園の清掃を取っちゃった。 バスの運行もやる。 派遣運転手で給料はNPOがピンはね。 国と同じだ」。 ・・・悲しいね。
***第五回***
 「体力に自信。 写経も納経も余裕、巡礼を楽しむ」
2009年4月4日~10日、40番観自在寺より59番国分寺まで。 山と桜と伊予の寺・歴史を愛めで、祈りを楽しみ、このお遍路のクライマックスへ。<行程:歩行7日、距離207キロ、高低差3130m>
エピソード6: 「山道で」 見事な景色を写真に収めていると小鳥(やまがら)が次々に手に止まる。 驚き、見とれていると山男が上ってきた。 餌付けをしているのだ。 楽しい話を聞かせてくれた。 素晴らしい時とつながり。
***第六回***
 「結願達成とはどんなものかな。 不思議な喜びと寂しさ」
2009年10月5日~12日、11月1日・2日、 59番国分寺より88番大窪寺を経て1番霊山寺まで。 日程の都合で8日と2日の2回に分ける。 千m級が3山、最終日は40キロ強、余裕を持って踏破。 達成の充実感、何か宝を得たような喜び、でもやはり別れは寂しい。<行程:歩行10日、距離297キロ、高低差4378m>
エピソード7: 「この歩きの厳しさの指標」 丈夫で結構高価な長距離ウォーキングシューズ゙の底に見事穴が開いた。 金剛杖は12cm磨耗。 共に旅した友に感謝。
***最後に***
 お遍路のご利益とは何か? 自分で確信するよりほかにない。
1) 多くの人、新しい自然に出会える: 生活環境も年も考えも体力も、全く異なった人たちに毎日新たに出会い話せる。 自然を身近に感じる。 多くを知り寛容の心が育つ。
2) 別の自分が見つかる: 強制的に日ごろのしがらみを離れ、周りを見直す機会が持てた。 今まで持っていた、気の付かなかった瞋恚(しんい)が明らかに薄らいだ。
3) 体を鍛え、いたわることを学ぶ: 週2回強のトレッキングが習慣になり、持続的体力がついた。 同時に、鍛えるだけでなく運動後のストレッチ、マッサージでいたわることの重要性を学んだ。 その後継続中。
4) 写経の効用:週1回写経の時間を持つことで何か心の安穏を覚える。 継続中。
5)人生の充実: 「心の欲するところに従えど矩(のり)を踰(こ)えず」。 いいなあ。 勝手な思いですが。 歩き遍路の準備、心構え、日程、費用、宿、苦労点など一般的なことは 「空海の史跡を尋ねて、四国遍路一人歩き同行二人、遍路道保存協会編」に詳しいのでそちらに譲ります。 
この稿は、歩き遍路に興味を持つ方が一人でも多く実行に移してくれることを期待してのものです。 本当に楽しいですよ。詳しくは直接何なりとどうぞ。 お待ちしています。